この記事にたどり着いたあなたは、おそらく彼の数々の行動に強い違和感や嫌悪感を覚えたのではないでしょうか。『ジョジョの奇妙な冒険』第1部に登場するディオ・ブランドーは、初日の言動からすでに傲慢さを隠さず、ジョースター家での生活を支配しようとする姿勢を見せていました。特に愛犬への仕打ちや、エリナへのキスシーンなど、人としての一線を越えた行動が多くの読者に強烈な印象を残しています。
さらに、外見や振る舞いは紳士的でありながら、その裏では残虐な計画を進めるという表裏のギャップも、多くの人が「信用できない」と感じる要因の一つです。ジョースター家乗っ取りを狙った策略や、石仮面による吸血鬼化を経て顕在化した冷酷さは、物語が進むにつれて本性があらわになっていく過程そのものでした。
この記事では、ディオブランドーを嫌いになる人が抱く具体的な理由を整理しながら、その魅力と恐ろしさが交差するキャラクター像に迫っていきます。
- ディオブランドーが嫌われる具体的な理由
- 第1部におけるディオの悪質な言動の数々
- 表と裏のギャップが生む不気味さの正体
- 吸血鬼化後の暴走と冷酷な本性
ディオブランドーを嫌いになる納得の理由

- 初日の言動が傲慢すぎる
- 愛犬を焼いた冷酷さ
- キスシーンが衝撃的
- 表裏のギャップが不気味
初日の言動が傲慢すぎる

初登場時のディオ・ブランドーの態度には、多くの読者が強烈な嫌悪感を抱きます。
なぜなら、彼はジョースター家に迎え入れられたその日から、感謝どころか敵意を隠そうともしなかったからです。
ディオはまず、主人公ジョナサン・ジョースターの愛犬ダニーに対して暴力をふるい、さらにジョナサンの親しい友人たちの前で彼を殴り飛ばしました。
この行動によって、彼は単に「嫌な奴」というレベルを超えた、攻撃性のある人物として読者に強く印象づけられました。
言ってしまえば、この時点でディオは「家族になるつもりがまったく無い人物」とも受け取られかねない振る舞いをしており、それが読者からの嫌悪につながっています。
さらに、ジョナサンの私物である懐中時計を無断で持ち出し、返そうともしないという細かい場面もあり、こうした積み重ねがディオの傲慢さを際立たせています。
このように、受け入れられる側であるにもかかわらず、初日から相手を見下し、支配しようとするディオの態度は、読者に強い違和感と反感を与える結果となったのです。
愛犬を焼いた冷酷さ

ディオ・ブランドーが嫌われる最大の要因の一つが、ジョナサンの愛犬ダニーに対する残虐な仕打ちです。
その行為は単なる悪戯の域を超え、人間性を疑われるレベルの残虐性を示しています。
具体的には、ディオはダニーを焼却炉に押し込み、焼き殺してしまいます。
しかもその動機は、ジョナサンへの嫌がらせと、自分の支配力を誇示したいという極めて身勝手なものでした。
犬は無力で、何の罪もない存在です。そうした動物を手にかけるという行為は、読者の倫理感や感情に強く訴えかけます。
また、この出来事が物語序盤に配置されていることにより、ディオの「悪人」としての印象は早い段階で確定されます。
ここまで冷酷なキャラクターであることが明確に描写されると、後のどんな場面で多少気品のある言動を見せたとしても、その印象を覆すことは困難です。
このように、愛犬を焼くという行為は、読者にとって決定的に「嫌い」と感じさせるトリガーであり、ディオの残酷さと人間性の欠如を象徴するシーンと言えるでしょう。
キスシーンが衝撃的

第1部でディオ・ブランドーがジョナサンの恋人エリナに無理やりキスをする場面は、多くの読者に強い衝撃を与えました。
このシーンが不快に感じられるのは、単にキスを奪ったという行為そのものよりも、ディオの意図が非常に悪質だからです。
ディオはエリナを愛しているわけではありません。
この行動は、ジョナサンへの精神的なダメージを与えるためだけに行われたものです。
「おまえの初めてはこのディオだ」と言い放つその姿は、相手の気持ちを踏みにじるどころか、自分の優位性を誇示する道具として他人の尊厳を利用しているように見えます。
また、このような行動が「貴族の家に養子として迎えられた青年」としてはあまりにも品位に欠けており、ディオの本質がただの暴力的な悪人ではなく、精神面でも破壊的であることが伝わります。
言ってしまえば、このキスシーンは彼の性格を端的に表しており、読者に「この人物は人間の尊厳をまったく理解していない」という印象を与える場面の一つです。
表裏のギャップが不気味

ディオ・ブランドーの最大の不気味さは、見た目の上品さや礼儀正しさと、内面の残酷さのギャップにあります。
外面だけを見れば彼は優秀で礼儀も正しく、誰からも信頼されるような理想的な青年に見えます。
しかし、その実態はまったく異なります。
ジョースター家に来た当初から、彼はジョナサンを貶めるための策略を張り巡らせ、裏では平然と悪事を重ねていました。
例えば、ジョナサンの周囲に悪評を流し孤立させたり、ジョースター卿の財産を奪うため毒を盛る準備をしていたりと、外見からは想像もつかないような悪質な行動を取っています。
このような二面性があるからこそ、ディオは読者にとって「信用できない存在」として強く印象に残ります。
見た目や口調に騙されてはいけないという警告のようにも感じられ、そこに薄気味悪さや恐怖を感じる人も多いのではないでしょうか。
このように、ディオの不気味さは、ただの悪人とは違い、計算された人格と本性のギャップによって成立しているのです。
ディオブランドー嫌いを加速させた行動

- ジョースター家乗っ取り計画が卑劣
- 吸血鬼化してからの暴走が怖い
- 警官隊を殺害した冷酷な決断
- 隠しきれない本性があからさま
- スピードワゴンの評価が的確すぎる
- 悪役なのに賢くてずる賢い存在感
- ディオブランドーが嫌いと言われる理由まとめ
ジョースター家乗っ取り計画が卑劣

ディオ・ブランドーがジョースター家を乗っ取ろうとした計画には、冷静に見ると驚くほどの計算と悪意が込められています。
この行動が卑劣とされるのは、恩義のある家に対して行った裏切り行為であるためです。
彼は幼い頃から、「金持ちになりたい」「誰にも負けたくない」という強い欲望を抱えていました。
そして、その目標を叶えるために選んだ手段が、ジョースター家の財産を合法的に奪うというものでした。
このとき、ディオは表面上は優等生を装いながらも、裏では義父ジョースター卿を毒で少しずつ殺そうとしていたのです。
このような計画は、正面から向き合っての勝負ではなく、信頼を利用し、家族をゆっくりと死へ追いやるものでした。
つまり、道徳的な一線を完全に踏み越えた行動であり、「生まれついての悪」と評されたのも納得できる内容です。
多くの読者がディオを嫌う一因は、このように善意や信頼を逆手にとって利用するところにあります。
どれだけ頭が良くても、尊敬できる人物とは言えない行動でした。
吸血鬼化してからの暴走が怖い

ディオ・ブランドーの恐ろしさが一気に増したのは、石仮面を使って吸血鬼になってからです。
この変化によって、彼の行動は一線を超えた非人間的なものへと変貌します。
人間であったころのディオは、策略をめぐらす知的な悪役でしたが、吸血鬼になったあとはその力をひけらかし、暴力と恐怖で人々を支配しようとします。
例えば、自分を逮捕しに来た警官隊を一瞬で惨殺したり、周囲の人間を次々とゾンビに変えて配下に加えるなど、力の使い方に一切の躊躇がありませんでした。
このときの彼には、かつての冷静さや優雅さはほとんどなく、むしろ感情のままに暴れまわる存在になっていたと言えます。
ここから、読者は「ディオはもう人間ではない」と感じ始めるようになります。
ただの悪人だった頃とは異なり、この段階のディオは物理的にも脅威であり、「何をしでかすかわからない存在」へと変わっていきました。
その予測不能な暴走ぶりこそが、読者にとって最大の恐怖となったのです。
警官隊を殺害した冷酷な決断

ディオ・ブランドーが警官隊を迷いなく殺害する場面は、彼の冷酷さを象徴する出来事の一つです。
この行動が特に問題視されるのは、命を守る立場にある警官たちを相手に、一切のためらいなく暴力を振るった点にあります。
物語の中で、ジョースター卿の命を狙っていたディオは、計画が露見し、警察に包囲される状況に追い込まれます。
そこで彼が取った選択は、逃げるでも降伏するでもなく、石仮面の力を使って吸血鬼として覚醒し、警官隊を皆殺しにするというものでした。
このときのディオには、人間としての感情や倫理観はまったく見られません。
しかも、彼はその場で新たなゾンビを生み出すなど、さらに暴力を拡大させようとしました。
冷静に考えれば、この決断は完全に自分の生存と支配欲を優先したものであり、一般市民の命や社会秩序など一切考慮していません。
この場面を通して、ディオは単なる悪役ではなく、「何をしてでも自分の意志を貫く存在」として描かれています。
そして、そこに迷いがないことこそが、多くの読者に恐怖と嫌悪を抱かせる要因となったのです。
隠しきれない本性があからさま

物語が進むにつれ、ディオ・ブランドーの本性は少しずつ、しかし確実に明らかになっていきます。
最初は礼儀正しく、知的で落ち着いた青年に見える彼ですが、その裏には徹底した支配欲と強いコンプレックスが隠されていました。
前述の通り、彼はジョースター家に受け入れられた直後から、表向きは模範的な態度を取りつつ、裏ではジョナサンを貶めるために数々の策を練っていました。
そして、義父を毒殺しようとした時点で、その偽りの仮面はすでに剥がれかけていたのです。
さらに石仮面の力を得てからは、彼の欲望と野心は抑えがたいものとなり、本性が完全に露出します。
特に、他人を手段としか見ず、自分の目的のためなら命さえも簡単に奪う姿勢は、もはや人間らしさを捨てたものといえるでしょう。
このように、外面だけを取り繕っていた彼の仮面は、行動を重ねるごとに崩れ、最終的には誰の目にも明らかな「悪」として浮き彫りになります。
それが、読者の「嫌い」という感情をより強くする決定的なポイントとなっているのです。
スピードワゴンの評価が的確すぎる

ロバート・E・O・スピードワゴンがディオ・ブランドーに対して述べた言葉は、物語の早い段階からディオの本質を的確に突いています。
初対面の直後、スピードワゴンは「こいつは生まれついての悪だ」「ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッ!」と語りますが、この表現はディオの後の行動を振り返っても決して誇張ではありません。
そもそもスピードワゴンは、裏社会に生きる人物であり、人を見る目には長けています。
その彼が出会ってすぐにディオの危険性を見抜いたという点は、作品における重要な示唆でもあります。
物語が進むにつれて、ディオは義父を毒殺しようとしたり、石仮面で人間を超越しようとしたりと、道徳や人道とは正反対の選択を次々と実行します。
これらの行動は、スピードワゴンの最初の印象がいかに正しかったかを証明するものと言えるでしょう。
スピードワゴンの評価は単なる嫌悪ではなく、冷静な洞察に基づいたものであり、読者にとっても「ディオはただならぬ存在だ」と印象づける強い導入となっています。
悪役なのに賢くてずる賢い存在感

ディオ・ブランドーが単なる暴力的な悪役に留まらない理由のひとつが、彼の知性と計算高さです。
頭の良い悪役であることで、彼の行動には説得力が生まれ、同時に不気味さも増しています。
例えば、ジョースター家に入った直後から彼は周囲の人間関係を冷静に分析し、どのようにすればジョナサンを孤立させられるかを考え、実行に移しています。
さらには、法律を学ぶという一見まじめな学問も、自らの犯罪を隠すための知識として利用するなど、手段を選ばない知略家としての一面が目立ちます。
また、自分に不利な状況では表面上の礼儀や理性を装って場をやり過ごすなど、危機回避能力にも長けています。
こうした狡猾さがあるからこそ、ディオは「力だけの悪役」とは一線を画す存在感を放っているのです。
その結果、読者の中には「嫌いだけど憎みきれない」「賢いがゆえに余計に怖い」といった複雑な感情を抱く人もいます。
ディオは単なる残虐な敵ではなく、知略と支配欲を兼ね備えた稀有な悪役と言えるでしょう。
ディオブランドーが嫌いと言われる理由まとめ
記事のポイントをまとめます。
- 初日から感謝もなく敵意をむき出しにした
- 愛犬ダニーを焼却炉で殺害した残虐さが際立つ
- 恋人エリナへのキスが支配欲の表れだった
- 礼儀正しさの裏に悪意を隠し続けた
- 信頼を利用してジョースター家を乗っ取ろうとした
- 義父に毒を盛る計画を平然と進めていた
- 石仮面で人間をやめ暴力に走った
- 警官隊を殺害し非人道的な存在となった
- 自分の目的のために命を軽んじる傾向がある
- 人間離れした暴走が予測不能で恐怖を与える
- 外面の優雅さと内面の邪悪さのギャップが不気味
- 自分に有利な仮面を使い分けるずる賢さがある
- スピードワゴンに初対面で本性を見抜かれた
- 法律や知識を悪事に転用する賢さがある
- 読者の倫理感を試すようなシーンが多い